ナツボラレポート
護国神社の慰霊碑等清掃活動を終えて
活動企画メンバー 山本祥子 記
一昨年、次世代の会青年部メンバーが土佐町で行った清掃活動の際に、「ナツボラ」制度を利用して若い世代と共に何かできないかと提案いたしました。
ナツボラとは、社会福祉法人高知県社会福祉協議会 高知県ボランティア・NPOセンターが窓口となり、中学生から一般までを対象とした「夏のボランティア体験キャンペーン」を略して「ナツボラ」と称します。
毎年県内では1000名近くが連携団体でボランティア活動を行っています。
この夏、青年部事業の一環として終戦記念日を控えた8月6日、高知県護国神社慰霊碑周辺の清掃活動を持って、団体の活動を幅広い世代に、より多くの人に知っていただく良い機会になると実施計画がなされました。
ボランティア団体に登録後、配布冊子の掲載、高知県遺族会WEBページでの告知、青年部への参加呼びかけなど多くを事務局にお願いしての運びとなりました。
今どきの学校事情である「ボランティア課題」、「新しいことを始めよう(たい)」や「地域の課題に参加」など意欲的な学生が多い昨今ですが、コロナ禍であることと、高知市吸江までのアクセスの不便さに加え、「遺族会」、「慰霊」や「忠霊塔」といったワードが若い世代にどうのように受け止められるか心配でした。
予想以上の参加応募があり、当日は中学生から大学生までの22名と保護者、計24名と青年部、事務局等を合わせ16名で清掃活動になりました。
作業を進めるにあたり青年部が班長・副班長を務め、7グループごとにエリアに分かれての活動の中で、自然と同年代、同じ学校や部活の話題に和やかな交流が生まれ酷暑の中丁寧な作業に感謝するばかりでした。
滝のような汗を流し、炎天下の中、砂利の反射で顔を火照らせる青年部に対し、若い彼らは部活に比べ、皆さわやかな笑顔と時に黙々と自ら考え工夫をして清掃活動が行われ時間いっぱい作業をしました。
碑の苔を除き磨きながら「この碑は何?何年前?」などと刻まれたことばと年号に驚く姿。
また、海の向こうの戦争を言葉にする子どもの様子が印象的でした。
78年前の夏に彼らが生きていたら、どのような立場におかれていたのかと感じました。
子どもが子どもらしく遊び、少年兵として故郷を離れることなく、食べるものに家族も困らず日常を過ごすことのできる大切さ、それを伝えるのは私たちの役目であり責任だと感じました。
これを機に、戦争の記憶を知り未来へ向けて平和な社会をつくろうという意欲や実現のために、さまざまな思いがひろがってくれることを願っています。